注文住宅を建てるための土地探しは多くの方にとって一生に一度のことなので、いざ始めるとなると分からないことも多いでしょう。しかも大変高価な買い物なので、失敗しないためにも色々と下調べをしてかないといけません。ここでは、最低限押さえておきたい土地探しの基礎知識についてご説明します。

注文住宅の土地探しを始める前に決めておくべきこと

土地探しの際になんの準備もなく物件を閲覧しても話は進みません。ここでは本格的に土地探しに入る前にやっておくべきことを確認しましょう。

住みたいエリア・土地の候補を上げる

住み始めてから後悔しないためにはどこでどんな暮らしをしたいのか、家族全員の暮らしや思いを尊重してエリアと土地の候補を決める必要があります。通学や通勤の利便性、自然豊かな場所や、買い物や通院に便利な場所など大切な要素を一つひとつ確認しましょう。

予算を決める

予算設定は土地選びの大切な基準です。生涯収入や教育費、医療費、車や家の維持費など全体的な収支を計算したうえで、総予算が決まったら、土地と建物にかける予算を決めます。土地に回しすぎて家づくりで妥協することが多くならないよう注意しましょう。住宅ローン返済額についても生活を切り詰めることのない範囲で計画する必要があります。

重視するポイントの優先順位を決める

予算内で住みたいエリアや土地の理想を叶えるのはなかなか難しいものです。アクセスを重視すると狭小地だったり、エリアを絞ったら変形地しかなかったりしたケースもありますが、条件がよくない土地でも活用次第で心地よく暮らせる場合があります。家族が暮らすうえで優先すべきポイントを整理しておくことで、土地選びの判断がしやすくなるでしょう。

注文住宅の土地探しの方法

土地探しの方法として身近なものはやはりインターネットですが、ほかにも現地確認や不動産販売会社を訪問する方法があります。ここでは土地探しの具体的な方法について確認しておきましょう。

インターネットで探す

まずはインターネットでの情報収集から始めましょう。全国の不動産情報をまとめたサイトは、いずれも連携されていて情報が共通しています。不動産会社や建築会社のホームページにも物件情報が出ていることがあるので、こまめにチェックしましょう。実勢価格が把握できるのでエリア選びの判断材料にもなります。

現地に出向いて確認する

インターネットで気になる土地や予算に見合う土地が絞り込めたら、実際に現地に足を運んでみましょう。歩いて散策することで色々な情報が目に入りますが、売り土地看板もその一つです。実際に見てその土地が気に入ったら価格確認の連絡をしてみましょう。その結果予算内であればさらに詳しい情報を聞くとよいでしょう。

不動産販売会社に相談する

不動産販売会社は当然ながらインターネットや広告に出る前の情報を持っているため、不動産会社と直接つながることで世に出る前の人気物件の情報を得ることができます。すぐに希望の土地がなくても条件を伝えておけば、該当の物件が出た際に連絡をもらえます。

売り手と買い手で相当な情報量・知識量の差があるので担当者が信頼できるかどうかの確信があることと、買い手側も最大限知識をつけておくことが望ましいでしょう。

ハウスメーカーや工務店に相談する

ハウスメーカーや工務店が不動産販売も行なっている場合もあります。建てたい家の相談と土地探しを同じところに依頼することで、建てる家と土地の相性も確認しながら進めることができるでしょう。

注文住宅の土地を探す際に注意するべきポイント

ここでは気になる土地が出てきた際に、チェックしておくべきポイントについてご説明します。

用途地域を確認する

家を建てられるのは都市計画法で定められた市街化区域のみです。市街化調整区域は原則として認められないので注意しましょう。また、市街化区域は住居地域、商業地域、工業地域などの用地地域に分類され、建築条件が異なるので注意しましょう。

建ぺい率と容積率を確認する

建築可能な建物の大きさと高さは建ぺい率と容積率で確認ができます。建ぺい率とは敷地面積に対して真上から見たときに建物が占める割合で、小さいほど建物の間隔に余裕が生まれます。容積率とは敷地面積に対する1階2階を含めた延床面積の割合で、何階まで建築できるかの基準となるのです。

接道義務とセットバックに注意する

都市計画区域内の土地は建築基準法が規定する道路(幅4m以上)に2m以上接していないと家を建てられず、これを接道義務と呼びます。また、幅4m未満の道路に接している土地は、道路から2mセットバックして家を建てる必要があるので注意しましょう。

旗竿敷地に注意する

旗竿敷地は2m幅の路地で道路とつながっている土地のことで、車の出入りに不便で駐車スペースも取りにくいため注意が必要です。その分価格は低くなるケースが多いでしょう。

まとめ

注文建築を建てる際の土地探しにはたくさんのポイントがあることが、お分かりいただけましたか。ここで挙げたポイントを押さえて候補地の目星がついたら、最後は必ず現地に出向いて土地とエリア全体を確認しましょう。

実際に暮らす目線でいろんな気候のときや時間帯に現地を訪れ自分の目で確かめるほか、実際に住んでいる人の話を聞くことも有効です。そうすることで家族にとって最善の納得できる土地を選べるでしょう。